朝、テレビの前に座る。リモコンを探さず、ただ画面に向かって「おはよう」と言う。すると画面の中のキャラクターが動き出し、「おはようございます」と返してくる。
2026年5月23日、シャープがテレビ向け新サービス「AQUOS AI」を正式に開始した。テレビに話しかけると、AIキャラクターが声で返事をする——シャープは「動くキャラクターと会話できる市販テレビは国内初」と説明している。
これまでテレビは「リモコンで操作するもの」だった。チャンネルを変えるにも、音量を上げるにも、手元のリモコンが必要だった。AQUOS AIはその前提を変える。声をかければテレビが動く。リモコンを探さなくていい。
この変化が起きているのは、特別な高級機の話ではない。AQUOSブランドの薄型テレビは国内で累計5600万台が出荷されており、日本で売れた薄型テレビの約3台に1台がAQUOSだ。それだけ広く普及しているテレビで、今日から「話しかけて使う」が始まった。
AQUOS AIでできる3つのこと
気分を言えば番組を選んでくれる
「なんか面白いのない?」と話しかけると、「番組おすすめ」機能が動く。地上波・BS・録画番組・YouTube・U-NEXTなどを横断して、今の気分に合ったものを選んでくれる。リモコンで番組表を何ページもめくる作業が、一言で終わる。
「毎朝6時につけて」で設定が完了する
「使い方ヘルプ」機能は、テレビの設定を声だけで完結させる。「毎朝6時につけて」と言えばタイマーが入り、「昨日の番組を録画して」と頼めば予約が完了する。説明書を探す必要も、メニュー画面を何度もたどる必要もない。
雑談もできる話し相手として使える
テレビを見ていないときでも、「最近どんな映画が流行ってる?」と声をかければ「トーク」機能が応じる。画面に映るAIキャラクターの大輝とあゆみが相手をしてくれる。テレビが映像を映す箱から、声をかけられる存在に変わる。
なぜキャラクターが画面に映るのか
声で操作できるAIアシスタントは、すでにスマートスピーカーとして家庭に普及している。それでもシャープがテレビの画面にキャラクターを映したのは、「聞こえてくる声」と「顔が見える相手」では、話しかけやすさがまるで違うからだ。目が合う相手がいる方が、人は自然に声をかけられる。
AQUOS AIは会話の内容と視聴の傾向を蓄積していく。好きなジャンルや視聴履歴を覚え、次第に「この人が好みそうなもの」を提案できるようになる。使い始めた日よりも、1か月後の方が自分に合った提案が来る仕組みだ。
料金と対応機種
AQUOS AIは無料から始められる。ただし使えるのは、2026年モデルの対応機種に限られる。
月50回は無料で使える
サービスは3段階の料金プランで提供される。
| プラン | 月額 | 月間利用回数 |
|---|---|---|
| フリー | 無料 | 50回 |
| ノーマル | 495円 | 400回 |
| ゴールド | 1,980円 | 1,600回 |
50回というのは、毎日1〜2回話しかける量に相当する。「今日のおすすめは?」と朝夕に聞いても、1か月は無料の範囲で収まる計算だ。まず試してみたいという人には、十分な余裕がある。回数を超えた場合は追加購入にも対応している。
対応は2026年モデルから、価格帯は20万円台〜
シャープによると、利用できるのは2026年モデルの「AQUOS XLEDシリーズ」と「AQUOS OLEDシリーズ」から。いずれもシャープの上位モデルにあたる薄型テレビで、画面サイズは55V型から65V型が中心だ。市場想定価格はモデルにより20万円台〜40万円台前後となっている(販売店により異なる)。具体的な型番や価格は購入先の販売店またはシャープ公式サイトで確認できる。
今使っているテレビがそれ以前のモデルであれば、現時点では対応していない。シャープは順次拡大予定としているが、対応モデルや時期の詳細は明らかにされていない。

