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freeeが業務AIを10分で作れる仕組みを発表 経費精算が月30分から2分に

freeeが業務AIを10分で作れる仕組みを発表 経費精算が月30分から2分に
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3ステップで作る自社専用AI

freeeは2026年6月16日、会計・人事労務などの既存サービスに「自社専用AIを作る機能」を正式追加した。中小企業を中心に71万社以上が使う会計・経費管理ソフトが、「人がソフトを操作する」から「AIが仕事を終わらせる」へと踏み出した。これまでAIを業務に組み込むにはエンジニアが必要だった。コードを書き、システムをつなぐ作業は、専門知識なしには手が出なかった。freeeが変えたのはその前提だ。「やり方を普通の文章で書くだけ」——それだけでAIが動く。

名前と手順を入れるだけ

作り方は3つのステップだけだ。①AIに名前と作業手順を文章で入力する、②使いたいfreeeのサービス(会計ソフトや人事・労務管理ソフトなど)を選ぶ、③使う部署を設定する。これだけで、10分ほどで自社専用のAIが完成する。プログラミングは一切必要ない。ノーコード(コードを書かない開発手法)で作れることが、中小企業にとっての本当の変化だ。

ChatGPTやGeminiとも連携できる

さらに、ChatGPT(米OpenAI)やGemini(グーグル)、Claude(米Anthropic)といった外部のAIサービスに、freeeに蓄積された会計・人事データを読み込ませることもできる。「先月の経費の傾向を分析して」と外部AIに指示すれば、freeeのデータを参照しながら答えが返ってくる仕組みだ。外部AIへの接続はすでに250万回以上呼び出されている。自社のデータと外部AIの分析力を組み合わせて使えるようになった点が、従来の会計ソフトにはなかった変化だ。

経費精算が月30分から2分に

仕組みはわかった。では実際に使った会社で何が変わったのか。

医療法人「焔」の事例

医療法人社団「焔」では、スタッフ1人あたり月に30分かかっていた経費精算が、2分で終わるようになった。15分の1だ。使ったのはfreee AIアシスタントの機能の一つ「まほう経費精算」。スマホで領収書を撮影するだけで、AIが金額や日付、用途を読み取り、申請まで仕上げる。スタッフは内容を確認して送るだけでいい。

建設会社(社名非公表)の試験導入でも、30枚の領収書の処理が3分で終わった。担当者の仕事の中身が「自分でデータを打ち込む作業」から「AIが出した答えを確認する作業」へと変わった。

医療・介護など複雑な業種でも

「お金の処理をAIに任せて大丈夫か」という疑問は当然だ。特に医療や介護の現場では、データの扱いに厳しいルールがある。

済生会熊本病院はそのハードルを越えた。freeeが定める医療機関向けのセキュリティ要件に対応した上で、会計・人事労務の業務にAIを導入している。具体的にどの業務をどこまで自動化しているかの詳細は公表されていないが、医療機関でも実際の運用に乗せられることが示された。医療・介護・建設といった、データに慎重さが求められる業種でも導入が始まっている。

安全に使うための仕組み

AIに仕事を任せるとき、「後から問題が起きたときはどうなるのか」「情報が外に漏れないか」「社員が会社に無断でAIを使っていないか」——こうした疑問は残る。freee AIアシスタントはそれぞれに対応する仕組みを持つ。

操作ログは全件残る

freee AIアシスタントは、AIが行った操作を全件記録する。誰が、いつ、どの作業をAIに指示し、AIが何をしたか——そのすべてがログとして残る。経費精算の内容に誤りがあった場合も、担当者が税務調査に備えたい場合も、後から確認できる。

認証情報を渡さない接続方式

会社の業務システムを外部のAIに使わせるとき、古いやり方ではIDとパスワードを渡していた。これでは情報が漏えいするリスクがある。freee AIアシスタントはAPI(外部システムと安全にデータをやり取りするための専用の接続口)を使う方式で、認証情報を直接渡さずに済む設計になっている。

社員の無断利用も把握できる

社員が会社に無断でAIツールを業務に使う「シャドーAI」も、企業にとって頭の痛い問題だ。freeeが公表した調査データによれば、日本企業の87%が生成AI(文章や画像を自動生成するAI)の活用を進めているが、こうした無断利用への対策ができている企業は42.3%にとどまる(調査の対象規模・実施時期はfreeeから公表されていない)。

freeeはこの点に対応するため、1万5,000種類以上のAIツールを検知できる機能を「freee IT管理」に搭載した。社員がどんなAIツールを使っているかを、会社が一覧で把握できる仕組みだ。AIに仕事をやらせる環境は整った。中小企業の現場がそれをどう使うかは、これからわかる。

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