大塚商会、AI定着支援サービスを開始
AIを会社に導入したのに、気づけば誰も使っていない——そんな現象に悩む中小企業を支援するサービスが始まった。大塚商会は2026年5月13日、「たよれーる AIまるごと伴走支援サービス」の提供を開始した。対象は中堅・中小企業で、AIツールの導入後に活用が止まってしまう問題を、専門家への相談で解消することを目的としている。
このサービスの出発点は、大塚商会自身がたどった道にある。同社は社内でAIを本格活用した結果、コールセンターでの受注件数が7倍に伸びた。その過程で見えてきたのが、「困るたびに社内の承認手続きが必要になり、現場が動けなくなる」という問題だ。同社プレスリリースによると、その経験をもとにサービス化したという。
困ったときに専門家へ相談しようとすると、そのつど稟議(りんぎ)が必要になる。費用の見積もりを取り、上司の承認を得て、ようやく相談できる——その間に問題は放置され、AIはまた使われなくなる。チケット制は、この流れを変えるための設計だ。
チケット制の仕組みと費用感
仕組みはシンプルだ。あらかじめ「相談できる回数」をまとめて購入しておき、困ったときに1回分ずつ使う。プリペイドカードに近いイメージで、チケットさえ手元にあれば、そのつど社内で承認を取らずに専門家へ連絡できる。
料金体系と購入単位
最小の購入単位は4チケットで、年額99,600円(税別)。月額に換算すると約8,300円になる。追加購入も4枚単位で可能だ。
4種類の支援メニュー
1枚のチケットで受けられる支援は、困り方の深さに応じて4種類から選ぶ。
最も間口が広いのが「よろず相談」だ。使い方が分からない、何から始めればいいか分からない——そういった漠然とした疑問を専門家に直接聞ける。「とりあえず聞いてみる」用途に向いている。
実用的なのが「再指導」だ。最初に使い方を教わっても、時間が経てば忘れる。新しく配属された社員には一から説明が必要になる。チケットがあれば必要なタイミングで専門家を呼び、再度レクチャーを受けられる。
残りの2種類はより専門的な用途向けだ。1つは「業務設定支援」で、自社の仕事の流れに合わせたAIの使い方——たとえば「この書類を要約する手順を組んでほしい」といった具体的な設定を、専門家に組んでもらうメニューだ。もう1つは「社内指導者育成」で、社内でAIの使い方を教えられる担当者を育てる研修を受けられる。これらのチケット消費枚数など詳細な条件は、同社への問い合わせで確認できる。
チケットの有効期限と注意点
購入したチケットは契約日から1年間が有効期限だ。期限内に使い切れなかった分は失効し、翌年への繰り越しも払い戻しもない。「必要になったら買う」ではなく、「使い切るつもりで買う」設計になっている点は、申し込み前に確認しておきたい。

