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DeepSeek、AI料金を恒久75%引き下げ発表 OpenAIとのコスト差が100倍超に拡大

DeepSeek、AI料金を恒久75%引き下げ発表 OpenAIとのコスト差が100倍超に拡大
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2026年5月23日、中国のAIスタートアップDeepSeekは、同社のフラッグシップモデル「V4 Pro」の料金について、これまでのキャンペーン価格だった75%引きを正式な定価として固定すると発表した。DeepSeekは2025年初頭、ChatGPTと互角の性能を持つAIサービスを大幅に低い価格で投入し、世界の注目を集めた中国企業だ。

ポイントは「セールが終わっても値上げしない」という点にある。期間限定のバーゲンではなく、この価格が今後ずっと続く定価になる——そう宣言したのがこの発表の本質だ。

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GPT-5.5の115分の1が「定価」になった

DeepSeek-V4 Proの入力価格は、AIの処理量を示す単位「トークン」で換算すると、100万トークンあたり0.435ドルとなる。75%引きとは「4分の1の価格」を意味し、引き下げ前の旧定価は同1.74ドルだった。

OpenAIの最新モデル「GPT-5.5」の入力価格は100万トークンあたり約50ドルとされており、DeepSeekの新定価と比べると115倍の開きがある。月に1億トークンを処理する場合でいえば、GPT-5.5では月5000ドル(約75万円)、年間で約900万円。DeepSeekの新定価なら月43.5ドル(約6500円)、年間で約7.8万円になる計算だ。

「永久値下げ」が企業の計算を変える

「安い期間だけ使う」から「これが普通の値段として予算を組む」へ——企業の意思決定が変わる。主要なAIモデルの利用状況を集計するサービス「OpenRouter」によると、2026年4月時点でDeepSeekを中心とする中国製モデルの週間利用シェアはすでに全体の45%を超えた。価格が定価として固定されたことで、この動きはさらに加速する。

中小企業のAI活用コストが激変

年間7.8万円なら——中小企業が現実的にIT予算として組める額だ。

これまで、AIをAPI経由(ネット越しに外部サービスを呼び出す仕組み)で大規模に活用できていたのは、TencentやAlibabaのような巨大企業に限られていた。TencentがDeepSeekを14億人のメッセージアプリ「WeChat(微信)」に組み込めたのも、膨大なコストを吸収できる規模があったからだ。年間数百万円から1000万円規模のAIコストは、数十人規模の会社にとって、そもそも選択肢に入らない数字だった。

それが7.8万円になった(月1億トークン処理の場合)。契約書の確認作業、問い合わせメールの下書き生成、社内規定文書の要約——こうした定型業務をAIに任せるコストが、中小企業にとって初めて現実的な水準に入ってきた。大企業専用だった領域が、企業規模を問わず開かれつつある。

来年度のIT予算にこの価格を前提として書き込める——それが恒久値下げの企業への意味だ。

ここで一つ疑問が残る。この価格で、本当に大企業と同じ仕事ができるのか。

8ヶ月遅れ、価格は115分の1

その問いに答えたのは、米国政府の機関だった。

米国商務省傘下のAI評価機関が2026年5月に公開した評価レポートの結論は「米国最先端AIから約8ヶ月の遅れ」。トップではない——それが公式の評価だ。

ただし同レポートは、プログラミング能力を測る業界テストでDeepSeek-V4 Proが一部の米国製商用モデルを上回るスコアを記録したとも記している。「中国製AIとしては史上最高スコア」という評価が、この8ヶ月差の内実を示している。

8ヶ月差とコスト差115倍が意味すること

8ヶ月遅れ、価格はGPT-5.5の115分の1。メール文面の生成、契約書の確認、データの整理——日常業務の多くは最先端を必要としない。このコスト差の前では、「最先端でないこと」の重みが変わってくる。

さらに、DeepSeekのモデルはMITライセンス(自由に改変・再配布できるオープンな条件)で公開されており、自社のサーバーに設置して動かすことができる。顧客データや社内情報を外部に送らずに済む——医療・法務・金融といった、データの扱いに制約がある分野では、価格以上の魅力になる。

この価格破壊に、OpenAIやGoogleがどう応じるかは、まだ決まっていない。追随すれば、AI業界全体の料金水準が一段下がる。しなければ、用途によって使うAIを選ぶ二層の市場が固まっていく。その答えが出るのは、もう少し先の話だ。

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