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OpenAI上場、来年以降に先送り CEO「1兆ドル以下は論外」と早期上場拒否

OpenAI上場、来年以降に先送り CEO「1兆ドル以下は論外」と早期上場拒否
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「2027年以降に先送り」——OpenAIの上場計画が崩れたという報道が出た翌日、日本のソフトバンクグループの株価が1日で1兆円分吹き飛んだ。

目次

OpenAI、2027年まで上場を先送り

NYTが報じた延期の事実

OpenAIは今年中の株式上場を計画していた。株式上場(IPO)とは、会社が証券取引所に登録して一般の人も株を買えるようになることだ。ChatGPTを開発したサム・アルトマンCEO率いる同社は2026年後半の上場を目指していたが、6月25日、ニューヨーク・タイムズが「2027年以降への先送りが決まった」と報じた。

報道直後、SBGが1日で1兆円を失った

報道の翌日、OpenAIの大株主であるソフトバンクグループ(SBG)の株価が13%下落した。1日で失った時価総額は約1兆円に上る。SBGはこれまでOpenAIに累計約10兆円を注ぎ込んでおり、上場による利益回収への期待が株価を長らく支えてきた。その期待が、一夜にして揺らいだ。

「評価額を下げれば今年上場できる」をCEOが一蹴

NYTの報道によれば、主幹事として起用されているゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレーはこう提案していた。「評価額(会社全体の値段)を今の約136兆円から引き下げれば、今年中の上場は可能だ」。アルトマンCEOの返答は一言だった——「論外だ」。

SpaceXの暴落が銀行に「慎重論」を広めた

銀行が慎重になった背景には、直前の失敗例がある。NYTなどの報道によれば、イーロン・マスク氏の宇宙企業SpaceXは2026年6月に上場を果たしたが、株価は上場直後の最高値から3割近く急落した。上場で「買い」が集まった直後にこれだけ売られる——投資家がAI・テック系の大型株に相当慎重になっていることを示していた。「強気な値付けで今の市場に出ても売り切れない」と銀行は判断した。

アルトマンCEOが「論外」と拒否した理由

それでもアルトマンCEOは引かなかった。目標は1兆ドル(約160兆円)——トヨタの時価総額の約3倍にあたる。現在の評価額との差は約24兆円あり、その上積みなしでの上場は認めない姿勢だ。「安い値段で出て上場後に株価が落ちるくらいなら、実力が数字に表れるまで待つ」という判断だ。

CFOのサラ・フライアー氏も延期を支持する。上場前には規制当局への詳細な財務開示が義務付けられており、「その準備に時間がかかる」というのが理由だ。財務の中身を全て第三者が確認できる形に整える——それだけでも、相応の時間がかかる作業だ。

赤字6兆円でも急がなくていい事情

売上を超える損失という財務の実態

2025年のOpenAIの財務を見ると、売上高は約2.1兆円。だが純損失はその約3倍に達した。稼ぐより3倍多く使っている計算になる。費用の大半は研究開発——「次世代AI」への投資を収益に先行させ続けている。

赤字でも3年戦える理由

それでも「急がない」と言える根拠がある。OpenAIの手元資金は約20兆円だ。毎年6兆円超の赤字を出し続けても、単純計算で3年以上もちこたえられる規模になる。

この資金の大半は2026年初頭の大型調達で積み上がった。SBGを筆頭に複数の投資家から約6.4兆円を一気に集め、それ以前にはマイクロソフトが累計2兆円超を投じている。

ただし、この資金にはすでに使い道が決まっている。2030年までのGPU・データセンターへの投資計画は累計約96兆円。手元の20兆円はその一部にすぎない。余裕があっても余裕ではない——それがOpenAIの現在地だ。

2027年に本当に上場できるか

ライバルが先に市場を動かす可能性

OpenAIが2027年を待つ間に、先を越される可能性がある。ChatGPTのライバル、Anthropic(アンソロピック)は複数のメディアの報道によれば、すでに規制当局への上場申請書を提出し、2026年10月の上場を目指している。Anthropicが先に上場すれば、投資家はそちらの評価額を物差しとして使う。OpenAIが後から「160兆円の価値がある」と言っても、その根拠を問われるのはより厳しくなる。

1兆ドルという目標は現実的か

アルトマンCEOには計算がある。自社開発AIチップ「ハラペーニョ」が普及すれば処理コストが下がる——その効果が数字に表れるのが2027年以降だという読みだ。ChatGPTが1回答えるたびに電気代とサーバー代がかかる。外部から調達したチップへの依存をやめ自社製に切り替えることで、この費用を大幅に削れる——それが黒字化への道筋だ。ただし、どの程度削減できるかの具体的な数字は現時点で公表されていない。

だが現実は厳しい。2026年1〜3月期、OpenAIが3か月で使った現金は約5,900億円。同期間の売上は約9,100億円で、その6割以上が出ていった計算になる。目標の160兆円には、今の評価額からまだ約24兆円の上積みが必要だ。

市場が問う160兆円の根拠

赤字6兆円の会社に160兆円の値段を、2027年の株式市場は本当に認めるのか。その答えは、まだ出ていない。

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