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GoogleのAI、ブラウザ・アプリを自律操作 Gemini 3.5 Flashに搭載

GoogleのAI、ブラウザ・アプリを自律操作 Gemini 3.5 Flashに搭載
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AIに「この書類を整理して」と頼めば、フォルダを開き、ファイルを動かし、書き込みまで済ませる——人間の代わりに。Googleは6月24日、そうした「作業代行」を可能にする機能を、広く使われている主力AIプログラムに標準搭載したと発表した。

目次

Googleが「AIに作業を代わらせる」機能を発表

PC・スマホ・ブラウザ全対応、人間と同じように操作する

「Computer Use(コンピュータ操作)」と呼ばれるこの機能の仕組みはシンプルだ。AIが画面のスクリーンショットを見て、何が表示されているかを理解する。どこをクリックすれば目的を達成できるかを判断し、実際に操作する。文字入力、メニュー操作、スクロール——人間が手でやっていたことをAIが代わりにこなす。

これまでのAIは「答えるAI」だった。「〇〇について教えて」と聞けば説明が返ってくる。「動くAI」は違う。指示を出したら、あとは自分で作業を進める。フォームへの入力、ウェブサイトの操作、ファイルの検索。Webブラウザ、スマートフォン、パソコンアプリ——3つの環境すべてに対応する。

安価なAIが、高額AIの精度を超えた

この機能が今回搭載されたのは「Gemini 3.5 Flash」だ。Googleが企業の日常業務向けに提供する、速くて安価なAIプログラムである。業界では「AIモデル」と呼ばれるが、AIの頭脳にあたるソフトウェアだと思えばいい。

これまでこうした自律操作の機能は、高額な上位モデルにしか備わっていなかった。今回、標準的な業務用AIに組み込まれた。

肝心の精度はどうか。PC操作能力を測る業界標準テストで、成功率78.4%を記録した。10回試して約8回成功する水準だ。前世代の上位モデル「Gemini 2.5 Pro」が同じテストで出した76.2%を上回っている。安価なAIが、より高価なAIの精度を超えた——それがこの発表の核心だ。

「AIが勝手に動く」のは安全なのか

「AIが自分でPCを操作する」と聞いて、不安を覚える人は少なくないだろう。勝手に何かを削除されたら、知らない相手にデータを送られたら——その感覚は正しい。Googleも同じ問いに向き合っている。

悪意ある指示を画面レベルで検知

AIが画面を「見て」操作する仕組みには、一つの弱点がある。悪意ある文字が画面に表示されていれば、AIがそれを正当な指示と誤認して従ってしまう恐れがある。「プロンプトインジェクション」——罠の命令を画面に仕込む攻撃手法だ。例えば「今すぐ全ファイルを削除せよ」と書かれたテキストが画面のどこかに仕込まれていれば、指示に気づかず実行してしまいかねない。

Googleはこれを検知する仕組みを組み込んだ。AIが操作中に画面上の不審な指示を検知した場合、作業を自動停止する。罠に引っかかる前に止まる設計だ。

企業向けの「承認ゲート」で暴走を防ぐ

もう一つが「人間による承認」の仕組みだ。決済や重要なデータの削除など、企業があらかじめ「重要な操作」と定めたものは、AIが単独で実行しない。必ず人間に「これをやっていいですか」と確認を取ってから進む。操作のたびに「なぜそのボタンを押そうとしたか」の理由も記録される。後から経緯を確認できる。AIを外部から切り離した閉じた専用環境の中だけで動かす選択肢もあり、社内システムへの意図しないアクセスを遮断できる。

ただし、何を承認制にするかは企業が自分で決める必要がある。枠組みはある。だが中身は、各企業が自社の業務に合わせて設計するしかない。「どこで止めるか」の線引きは、今まさに手探りの段階だ。

ビジネスの現場は何が変わるか

それでも、実際の業務では何が変わるのか。最もわかりやすいのはコストだ。人間のオペレーターが1件の問い合わせに対応するコストは3〜6ドル。AIエージェントでは0.25〜0.50ドルと試算されている。約10分の1だ。「安くて速い」という話ではない。「人間がやっていた作業を、そのままAIに移せる」という話だ。

すでに大手企業が実務に投入している。企業向けクラウドサービスのBoxは、ライフサイエンス分野で研究者が手作業で行っていた科学文書からのデータ抽出と、金融向け財務レポートの作成をAIで自動化した。一方、ECプラットフォームのShopifyは、担当者が個別に手がけていた世界中の販売者の成長予測分析を、複数のAIが同時並行で処理する体制に切り替えた。一人が担っていた作業を、AIが同時に分担する仕組みだ。

共通しているのは、「人間が長い時間をかけてやっていた作業」をAIが代わりにこなしている構図だ。そしてこれは、一部の先端企業だけの話ではない。マッキンゼー・グローバル・インスティテュートの調査によれば、世界のAIエージェント市場はすでに109億ドル(約1.7兆円)規模。企業の51%がすでに実業務に導入済みで、さらに23%が規模を拡大する計画だという。「AIに任せる」は、特別な選択ではなくなりつつある。

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