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AIの通信量、人間の6.5倍速で増加 5か月で3割増

AIの通信量、人間の6.5倍速で増加 5か月で3割増
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あなたのサイトに来ている訪問者の半分以上が、今やAIかもしれない。そんな時代が、数字の上でついに現実になった。

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ネット通信、AIが人間を初めて上回った

2026年6月、世界のネット通信量の大部分を計測するインフラ大手・Cloudflare Radarが公表したデータによると、インターネット上の通信全体の57.5%がボット——人間の代わりに自動でウェブサイトを閲覧・操作するプログラム——によるものとなり、人間による通信(42.5%)を歴史上初めて上回った。10回のアクセスがあれば、6回はもう人間ではない計算だ。

しかも、この増え方が尋常ではない。なかでもAIエージェント——ユーザーの指示を受けて代わりにタスクをこなすAI——によるトラフィックは、2025年の1年間で8,000%、つまり80倍にまで膨れ上がったとサイバーセキュリティ企業の調査が示している。ネットの「使い手」として、AIが人間を追い抜いた——その構造の変化は、着実に進行している。

ECサイトへの影響が特に深刻な理由

AIによる自動アクセスの95%以上が「小売・EC」「メディア・エンターテインメント」「旅行・ホスピタリティ」の3業界に集中している。中でも直撃を受けているのがECだ。

AIが買い物をする主体に

Adobeの調査では、AI経由のECサイト訪問数が前年比693%増加している。しかも量だけの話ではない——AI経由の訪問者は人間より購買率が31%高く、1訪問あたりの売上も33%上回る。消費者の行動も変わり始めている。自分で検索せず「この商品を安く買ってきて」とAIに頼む人が現れ、AIが購買の主体になりつつある。

人間とAIの訪問数格差

ただし現場では厄介な問題も生まれている。「ゴーストカート」だ——AIが価格や在庫を監視するために商品をカートに入れたまま放置し、結局購入しない。その間、在庫は塞がれ、人間の客が「在庫なし」の画面を見て離脱する。放棄率や在庫占有期間の業界横断的な統計はまだ出揃っていないが、AIエージェントの急増に伴い複数の小売業者がこれを実務上の問題として認識し始めているのは確かだ。良い客でもあり、困った客でもある。ECサイトはその両面を同時に抱え込むことになった。

企業の対応が二極化――遮断か、活用か

良い客でもあり、困った客でもある——この両面性が、企業の対応を真っ二つに割っている。AIは人間のようにウェブページ全体を「見る」のではなく、欲しいデータだけを裏口から直接引き出す方式でアクセスすることが多い。この方式はAIの場合、全体の51%を超えるが、人間では9%未満だ。大量のAIが裏口を繰り返し叩く——その負荷がサーバーに積み重なる。

AIを遮断する企業の論理

主要ニュースサイトの79%はすでにAI学習用ボットを締め出している。Amazonも動いた。AIスタートアップが開発した「ユーザーの代わりに商品を自動購入するAI」を、不正アクセスと顧客体験の毀損を理由にブロックした。

AIが増えると、人間が来なくなる——その現実もすでに起きている。AI検索が回答を要約して見せるようになった結果、ユーザーがWikipediaを直接訪れる回数は減少傾向にあると、複数のトラフィック調査会社が継続して観測している。Wikipediaがコンテンツを提供しながら直接の訪問者を失う構図は、メディアやECを問わず多くのサイトで起き得る問題だ。

AIを販路にする企業の選択

同じ現象に、真逆の手を打った企業もある。Cloudflareは2025年、「AI Audit」と呼ぶ仕組みを立ち上げた。AIボットがコンテンツにアクセスするたびに、サイト運営者がリクエスト単位で課金できる仕組みだ。締め出すのではなく、来るなら払わせる。価格はサイト側が自分で設定できるため、交渉力はコンテンツの持ち主に渡った。RedditはGoogleとAI学習用コンテンツの利用契約を結び、年間6,000万ドル(約90億円)を得た。トラフィックをそのまま収益に変えた。

遮断にも活用にも、それぞれ筋の通った理由がある。どちらが正解かは、まだどこにも答えがない。

2030年、AIが買い物の主役になる

経営コンサルティング大手の調査によると、2030年までに米国のEC市場でAIエージェントが動かす購買額は3,000億〜5,000億ドルに達し、オンライン小売全体の15〜25%を占める見通しだという。

背景にあるのは「ゼロクリック・ショッピング」と呼ばれる買い物スタイルの広がりだ。消費者がECサイトを自分で開くことなく、AIに話しかけるだけで検索から購入まで完結する——そういった行動が、じわじわと広がり始めている。

今回Cloudflareが計測した「AIが人間を超えた」という数字は、その変化の起点として記録されるかもしれない。

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