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JR東日本、みどりの窓口にAI 7月から実証実験

JR東日本、みどりの窓口にAI 7月から実証実験
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AIに切符は売れない。それでも、JR東日本は7月から特急・新幹線などのきっぷを扱う有人窓口「みどりの窓口」にAIを置く実証実験を始める。

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「みどりの窓口AI対応サービス(仮称)」、7月から実験開始

JR東日本が2026年6月9日に発表したのは、AI接客と2027年春からの近距離切符QRコード化という2つの施策だ。この記事ではAI接客に絞る。

立川駅(7月20〜22日)と大宮駅(7月23〜25日)の各3日間、窓口内に特設ブースを設け、AI端末を各駅2台程度配置する。JR東日本はこのサービスを「みどりの窓口AI対応サービス(仮称)」と呼ぶ。開発にはNEC・Gen-AX・ソフトバンクの3社が参画する。

「みどりの窓口」は、券売機では対応できない複雑なきっぷを有人で扱う場所だ。スマートフォンやICカードに押されて利用者は減ったが、窓口前には今も最大65分・70人の列ができることがある。

AIがやるのはきっぷの販売ではない。客の要望――区間・日時・人数――を音声で聞き取り、係員に即座に共有することで、発券までの時間を縮める。

なぜ今AI?窓口削減騒動が背景に

JR東日本が窓口削減に動いたのは理由がある。チケットレス化が進み、8割の利用者はもう窓口を使っていない。だから2021年、440駅あった「みどりの窓口」を2025年までに約140駅へと7割減らす計画を立てた。

ところが、蓋を開ければ逆効果だった。窓口が減るほど残った窓口に客が集中し、大宮駅では最大65分・70人の列が常態化するようになった。批判が相次ぎ、JR東日本は2024年5月に削減計画を凍結。それ以降も長蛇の列は解消されず、現在は209駅体制を当面維持する方針に転じている。

「減らしたら混んだ、でも増やせばコストがかかる」——その詰まった状況への次の手がAIだ。切符を売るのではなく、客の話を聞いて整理する役割をAIに任せることで、係員が発券作業に集中できる時間を増やす。

AIが「聞く役」、係員が「発券役」

窓口の前にAI端末を置き、客が話しかける——それが今回の実験の全体像だ。AIと係員が役割を分け合う「ハイブリッド型」で窓口を回す。

AIが聞いて、人間が発券

客が端末に向かって「東京から大阪まで来月2人で」と話すと、生成AIが区間・日時・人数・割引の有無を自然な会話から読み取り、係員の画面に即座に送る。係員はその情報を確認してすぐ発券できる。「窓口での説明のやりとり」がなくなる分、1人当たりの対応時間が縮まる見通しだ。なお、JR東日本は具体的な待ち時間の短縮目標を現時点では公表していない。

切符を出すのも、代金を受け取るのも人間だ。AIは「聞いてまとめる」だけ。JR東日本の喜勢社長は「人ならではの判断が必要なお客さまに係員が注力できる環境を作るため」と語る。

駅の騒音での聞き取り精度

駅は発車アナウンスや人混みで常に騒がしい。Gen-AXとソフトバンクが開発した音声認識システムは、その環境下でも安定して聞き取れるかどうかが技術的な核心だ。利用者が機械に話しかけることへの心理的な抵抗感も評価項目に入っている。

将来はAI単独の自動発券、多言語対応も

今回の実験は、JR東日本が描く将来像の入口にすぎない。

最終目標は「AIが発券まで」

JR東日本が目指しているのは、AIが要望の聞き取りから発券まで一人でやり切る形だ。今回は「聞いてまとめる」役に徹するが、技術の精度と利用者の反応を積み重ねながら、最終的には係員なしでチケットが出てくる窓口を想定している。

外国人観光客への多言語対応

多言語対応も将来像に含まれている。日本語以外でもAIが聞き取れるようになれば、案内に時間のかかりやすい訪日外国人客の窓口対応も変わる可能性がある。

今回の実験は各駅3日間ずつ、計6日間の短期検証だ。AIが客の話を聞き取れるか、利用者が機械に話しかけることに抵抗を感じないか——その手応えが、窓口の次の一手を決める判断材料になる。

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