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JASRAC、AI生成メロディは管理対象外——新方針を正式発表

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音楽が使われるたびに使用料を集め、作詞家・作曲家に届ける——それがJASRAC(日本音楽著作権協会)の仕事だ。その団体が2026年6月11日、AIが生み出した音楽について一つの結論を下した。

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AI生成メロディは著作権の対象外

「AIが自律的に生成したメロディや歌詞には、著作権は発生しない」——JASRACは公式ガイドラインでそう定めた。

プロンプト(AIへの指示文)を入力するだけで出力された曲、ボタン一つで生まれたメロディは、法律上「著作物ではない」。著作物でなければJASRACは管理を引き受けない。そして管理されない曲は、誰でも許可なく、料金なしで使える曲になる。普段、楽曲を商業利用する際はJASRACへの申請と使用料の支払いが必要だ。AIが自律的に作った曲には、その仕組み自体が存在しない。

すでに動き始めている。JASRACの作品データベース「J-WID」では、AI生成部分の著作者欄に「非著作物(AI自律生成)」と表示する運用がスタートした。記録の上でも、「誰のものでもない曲」が確かめられる。では、人間が一部でも関わったらどうなるのか。

AI作曲+人間作詞で管理率は50%

詞と曲で50%ずつという仕組み

JASRACは楽曲の権利を「歌詞」と「メロディ」の2つに分けて管理している——それぞれ50%ずつだ。楽曲が使われるたびに発生する使用料は、この割合に従って作詞家と作曲家にそれぞれ届く。

この仕組みをAI楽曲に当てはめると、答えは明快になる。「AIが作曲、人間が作詞」の場合、人間が書いた歌詞の50%分はJASRACが管理する。しかしAIが生成したメロディは著作物ではないため、その50%分は管理しない。楽曲全体でみると、管理率は50%になる。J-WIDでは、このメロディ部分の著作者欄が空白のまま処理される——著作権の保護期間が切れた古い楽曲(パブリックドメイン)に人間が新たな歌詞をつけたときと、同じ扱いだ。

修正を加えれば全体が著作物に

ただし、メロディに人間の手が入っていれば話は変わる。自分でメロディを口ずさんでAIに整えさせた場合や、編曲の細部に繰り返し指示を出して形を変えた場合——JASRACは、こうした「人間の創作的な関与」が認められれば、AI製の部分も著作物として扱われる可能性があるとしている。

では、どこからが「創作的な関与」にあたるのか。JASRACの答えは「ケースバイケース」だ。基準はまだ定まっていない。AIで曲を作ることは簡単になった。だが、その曲を「自分のもの」にするための線引きは、今のところ誰も知らない。

JASRACがAI楽曲を受け入れる条件

資料提出を求める場合がある

AI楽曲をJASRACに届け出る際には、一つの義務がある。「作詞:AI自律生成」「作曲:AI自律生成」と明記することだ。人間が関与した部分とAIが生成した部分を、届出の段階で明確に分ける必要がある。JASRACは、人間の創作的寄与の程度を確認するため、制作過程に関する資料の提出を求める場合があるとしている。

問題は、その逆をやったときだ。AIが作ったのに「人間が作った」と偽って届け出れば、「著作者詐称」——著作者を偽る行為——にあたる。法的責任を問われる可能性がある。仕組みが成り立つのは、申告が正直であることが前提だ。

世界の管理団体と同じ方向性

これはJASRAC独自の判断ではない。米国のASCAP・BMI、カナダのSOCANも2025年10月、同様の方針を相次いで発表している。人間の創作的寄与がない楽曲は管理しない——その線引きは、今や世界共通のルールになりつつある。

一方でJASRACは、守りの動きも見せている。著作者がAIによる無断学習を拒否できる権利の法整備(著作権法第30条の4の改正)を、政府に求めている。AIを受け入れながら、権利者を守る仕組みも同時に求める。受け入れと防御、両方を進めているのが、JASRACの現在地だ。

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