スキャンしたら、もうWordになっている——そんな機能が登場した。
SUPERNOVAは2026年6月1日、京セラドキュメントソリューションズと連携し、法人向けサービス「Stella AI for Biz」に文書変換機能を追加した。紙の議事録やファクスを京セラ製複合機でスキャンすると、AIが見出し・段落・箇条書きといった文書の構造を読み取り、そのままWordファイルとして保存される。操作は2クリック。スキャン後に人間が整形し直す作業は不要になる。
月額料金は1,980円。パソコンに詳しくない人でも複合機のパネルから操作できる設計で、専用ソフトの導入は不要だ。
AIが文書の「構造」まで読み取る
従来の文字認識との違い
紙の文書をスキャンして文字をデジタルデータに変換する技術は、何十年も前から存在する。これまでの文字認識(OCR)は、言うなれば紙を「写真に撮る」ような仕組みだ。文字は読み取れるが、「この行は見出し」「この部分は箇条書き」といった文書としての意味まではわからない。結果、変換後のデータは文字が羅列されるだけ。見出しも本文も箇条書きも、全部が同じ平たい文字列になってしまう。
Wordファイルに貼り付けても、フォントのサイズも階層構造もぐちゃぐちゃ。「スキャンしたのに、結局人間が整形し直す」——これがこれまでのデジタル化の実態だった。
整形不要になる仕組み
SUPERNOVAが今回搭載したのは、文書の「構造」を理解するAIだ。スキャンした画像を解析し、「ここは大見出し」「ここは箇条書きの項目」「ここは本文の段落」と判別する。その判別結果をそのままWordの書式として再現するため、変換後のファイルは最初から整った状態で出てくる。
「スキャン→手直し→完成」だった工程が、「スキャン→完成」になる。手直しに費やしていた時間が、まるごと浮く。
ただし、今回の発表で対応が明示されているのは、印刷された文字で構成された文書だ。手書きの文字、罫線が複雑な表、グラフや写真を多く含む資料、縦書きの文書については対応可否が公表されていない。自社で扱う紙文書のフォーマットが特殊な場合は、事前に確認が必要になる。
スキャンから受け取りまで、パソコン不要
複合機のタッチパネルで変換メニューを選び、スキャンを開始する。それだけだ。
パソコンを開く必要はない。専用ソフトをインストールする手間もない。複合機を普段から使っている人が、そのままの感覚で操作できる。変換されたWordファイルはクラウドに自動保存され、URLがメールで届く仕組みになっている。複合機の前を離れた後も、手元のパソコンやスマートフォンからファイルを受け取れる。
SUPERNOVAは会議の紙の議事録や、スキャンした参考資料の転記作業を想定している。スキャンした段階でWordの体裁が整っているため、そのまま配布・編集に入れる。
月1,980円で使えること
導入コストはどうか。月額1,980円(1IDあたり)で、文書変換の他に、テキストの生成や要約といったAI機能も追加料金なしで利用できる。大手の文書管理サービスと比べて手が出しやすい価格帯だ。
IT導入補助金2026の対象ツールに認定
国の補助制度「IT導入補助金2026」の対象ツールに認定されている。中小企業・小規模事業者がソフトウェアを導入する際に、費用の一部を国が補助する制度だ。補助が組み合わされば、実質的な負担をさらに抑えられる可能性がある。詳細は中小機構の公式窓口または認定支援機関で確認できる。
