AI導入・開発はAIのミカタにお任せください お問い合わせ

日本のAI利用率、米国抜く BCG1万人調査

  • URLをコピーしました!

2年前、日本は世界で最もAIを使わない国だった。それが今年、米国を追い抜いた。経営コンサルティング大手のBCG(ボストン コンサルティング グループ)が6月10日に公表した調査が、その急変を数字で示した。

目次

2年で最下位から米国超え、日本66%

2024年、職場でAIを日常的に使っていた日本の従業員は全体の16%だった。BCGが調査した国の中で、当時の日本は最下位だ。それが2026年版では66%まで跳ね上がり、米国の62%を上回った。2年で16%から66%——この変化の落差自体が、このニュースの核心である。

ただし、「米国に勝った」で終わる話ではない。世界の平均は74%だ。日本はまだそこに届いていない。

BCGのAI専門部門「BCG X」が今年で4回目となる年次調査で、14カ国・1万1,749人から回答を集めた。

2024年から2025年にかけて、日本では主要企業が業務へのAIツール導入を相次いで表明し、政府もDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進した時期と重なる。調査の数字は、その動きが職場レベルで確かに着地したことを映している。

72%が実感「仕事のスキルが変わった」

利用率が上がった先で、何が起きているのか。すでにAI活用が進む国々のデータが、その答えを示している。以降の数値は14カ国のグローバル平均で、日本固有の内訳はBCGのレポートに記載がない。

AIを使っている回答者の72%が「自分の仕事に求められるスキルが変わった」と答えた。技術の話ではない——仕事のやり方そのものが変わったという実感だ。

AIに「やってもらう」から「指示して確認する」仕事へ

かつては自分で調べ、自分で書き、自分で計算していた仕事が、「AIにやってもらい、その結果を判断する」という形に変わりつつある。手を動かす量が減り、代わりに「この答えは正しいか」「この方向でいいか」を考える時間が増えた。AIを使う量が増えるほど、確認する量も増えていく。

AIは時間も生み出した。日常的に使っている従業員の42%が、週に8時間以上——1営業日分——の時間を捻出できていると答えた。では、その時間はどこへ消えたのか。

時間は浮いた、でも現場は困っている

事務作業と休息——浮いた時間の多くはそこへ消えている。AIで時間を捻出できた従業員の66%が、「その時間の使い道について、会社から指針を示されていない」と答えた。

AIで仕事は楽しくなった、という人は多い。日常的に使う人の67%が「仕事が楽しくなった」と感じている。ところが同時に、41%が「かえって頭が疲れる」と答えている。BCGはこれを「ジョイ・パラドックス」と名付けた——楽しいのに疲れる、という矛盾だ。AIが大量の選択肢を提示するぶん、何を選ぶかを考える頭の負担が増える。

66%「使い道の指針がない」

BCGの分析は、AIの導入効果が会社の方針次第で大きく開くことを示した。明確な戦略を持つ企業では業務の成果が25ポイント向上し、ツールを入れただけの企業は5ポイントにとどまった。5倍の差だ。ここでいう「成果」とは、仕事の質・処理速度・効率をBCGが合わせて測った業務パフォーマンスの変化量のことだ。

現場からも、溝の深さが見える。「会社のAI戦略を理解できている」と感じる従業員は33%しかいない。残りの67%は、何を目指してAIを使えばいいのか、答えを持てないまま働いている。

急上昇した日本が直面する「次の2年」

利用率で米国を超えた日本にとって、BCGが今回浮き彫りにした課題は他人事ではない。「指針がない」66%というグローバル平均の数字は、2年で利用率が4倍になった日本では、より速いペースで現実になっている可能性がある。使う人が増えるほど、浮いた時間の使い道を示せない企業の代償は大きくなる。

世界最下位から米国超えまで2年かかった。その急成長の先で日本の職場が何をするか——次の答えは、おそらくまた2年後の調査に表れる。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次