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孫正義氏、株主総会で「人間を超えるAI」宣言 AI投資14兆円の継続を表明

孫正義氏、株主総会で「人間を超えるAI」宣言 AI投資14兆円の継続を表明
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2026年6月21日、ソフトバンクグループの定時株主総会で、孫正義会長兼社長がこう宣言した。「10年以内に、人間の能力の1万倍のAIをつくる」——。これは遠い未来の話ではない。その言葉を裏付ける投資が、すでに動き出している。

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株主総会で語られたこと

孫氏が掲げたのは、ASI(人工超知能)の実現だ。ASIとは、ChatGPTのようなAIをはるかに超えた存在を指す——人類の天才全員の知能を束ね、さらにその1万倍の思考力を持つAIだ。孫氏は「2035年頃の実現を目指す」と語り、総会の場でこう言い切った。「私はASIを実現するために生まれてきた。今は体が燃え盛っている」。

人類との関係を、孫氏は「金魚」という言葉で表した。ASIから見れば、人間は水槽の金魚ほどの存在だ、と。荒唐無稽に聞こえるかもしれない。だがこの言葉は、株主総会の壇上で、日本を代表する企業のトップが言い切ったものだ。

その言葉に重みを加えるのが、直前の数字だ。2026年5月、株式市場でのソフトバンクグループの企業価値がトヨタ自動車を一時上回り、日本1位となった。「携帯の会社」がトヨタより大きいと市場が評価した瞬間だった。通信ではなく、AIに賭けた会社——そう見られている証だ。

2026年3月期の最終利益は約5兆円。日本企業として記録的な水準だ。ただしこの「利益」は、出資しているOpenAIなどの企業の価値が上がったことで生まれた帳簿上の数字だ。株を持っている間は価値の上昇が数字に反映されるが、売るまでは手元に入ってこない——家の値段が上がっても、売るまでは現金ではないのと同じことだ。それでも市場は、「ASI投資は正しかった」というシグナルとして受け取った。

孫氏は今回の総会で、ソフトバンクグループをもはや「通信・投資会社」とは位置づけなかった。ASIを実現する会社への転換——その宣言の場として、2026年の株主総会は記憶されるだろう。

世界に投じる3つの巨額賭け

壮大な宣言をした人物が、実際に何をしているのか。その答えは数字が語る。

OpenAIに10兆円

SBGがChatGPTを作ったOpenAIに注いだ累積出資額は約10兆円に達する。さらに追加出資も約束しており、完了後はOpenAIの株の約13%を持つ最大級の株主となる予定だ。ただしOpenAIの評価が将来下落すれば、前述の利益も逆転するリスクがある。

2社はまた「スターゲート計画」を共同で推進している。OpenAI・Oracle(オラクル)・SBGの3社が参画するこのプロジェクトは、今後4年で総額約75兆円規模を米国のAIインフラに投じる計画だ。AIが計算するための巨大なコンピュータ施設(データセンター)と発電所の建設を含む。各社の負担額は公表されていない。

フランスに最大12兆円

OpenAIでAIの「頭脳」を押さえた。次に必要なのは、それを動かす電力だ。AIを大規模に稼働させるには莫大な電力が必要で、孫氏はその問題を、国ごと押さえることで解決しようとしている。

フランスのマクロン大統領との会談で発表した計画は、同国内のデータセンター建設に最大約12兆円を投じるというものだ。一企業のトップが大統領と直接会って約束を取り付ける——AIの競争はもう国と国の話になっている。フランスを選んだ理由は原子力発電による豊富な電力だ。孫氏は「AI時代は電力を持つ者が勝つ」と語る。技術の競争だと思われてきたAI覇権争いに、「電気をどれだけ持てるか」という新たな競争軸が生まれている。

独自チップ「イザナギ」

電力を確保しても、AIを動かす部品を他社に握られていたら意味がない。3つ目の柱は、その部品の自前化だ。

AIには「GPU(ジーピーユー)」と呼ばれる特殊な半導体——AIの脳みそにあたる部品——が不可欠だ。現在この市場は米国のNVIDIA(エヌビディア)がほぼ独占している。SBGはこの依存から脱するため、「Project Izanagi(イザナギ)」として独自のAI専用チップの開発を進めているとされる。SBGが持つ半導体設計会社のArm(アーム)と、買収した半導体企業の技術を組み合わせたものだ。ただし開発の詳細や出荷時期について、SBGからの公式発表は現時点で確認されていない。

「頭脳・電力・部品」3軸でASIインフラを自前化する戦略

頭脳(OpenAI)・電力(フランス)・部品(イザナギ)——この3つが揃うと、ASIを動かすためのインフラを丸ごと自分のものにする一貫した戦略の輪郭が見えてくる。2035年のASI実現が現実になるかどうかはわからない。だが今この瞬間、数十兆円規模の資金がその方向へ動いている。それがこの株主総会で確認できたことだ。

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