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DXC、AIがIT運用の95%を担う新基盤「OASIS」を発表

DXC、AIがIT運用の95%を担う新基盤「OASIS」を発表
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DXC OASISが変えるIT運用

企業のIT担当者は今、何に時間を使っているか。パスワードのリセット、システムの不具合対応、ネットワークの監視——「決まった手順の繰り返し」が仕事の大半を占め、判断が必要な本来の業務は後回しになる。DXCテクノロジーが2026年4月28日に発表した「OASIS」は、こうしたIT運用の雑務をAIに引き受けさせるプラットフォームだ。

4月28日、新プラットフォームを発表

DXCは日本では馴染みが薄いが、世界70カ国以上で大企業のITシステムを裏側から支えている専門企業だ。従業員は11万5000人。ANAや第一三共といった大手企業とも取引がある。

OASISが掲げるのは、定型的なIT運用タスクの最大95%をAI(人工知能)に任せるという運用モデルだ。20件の問い合わせがあれば、19件はAIが処理する計算になる。

「統合管理基盤」をひと言で説明

企業のIT環境は複雑だ。セキュリティツール、ネットワーク管理、ヘルプデスクシステム——それぞれが別々に動いており、横断的な管理は人間の仕事になっている。OASISはこうしたバラバラなシステムを束ねて一元管理し、AIが「お世話係」として面倒を見る層を設ける仕組みだ。

注目すべきは、DXCがこの仕組みを顧客に売り込む前に、自社の全従業員11万5000人で先に試したという点だ。DXCはこの取り組みを「カスタマー・ゼロ(Customer Zero)」と呼ぶ——自社を最初の顧客として位置づけ、顧客と同じ環境でシステムを運用するという考え方だ。IT企業が自社製品を自社で大規模実証するのは珍しい。

AIが95%担い、人間は判断に集中

IT担当者の日常を分解すると、その大半は「調べる・直す・報告する」の繰り返しだ。パソコンが起動しない、ネットワークが遅い、パスワードを忘れた——こうした問い合わせが毎日積み重なり、本来やるべき判断や改善の仕事は後回しになる。OASISが狙うのは、この「繰り返し部分」をまるごとAIに移すことだ。

なぜ95%が可能なのか——エージェント型AIという仕組み

従来の自動化ツールは「決まった手順を決まった順番で実行する」ものだった。設定外の問題が起きれば止まり、人間が判断する。OASISが違うのは、「エージェント型AI(Agentic AI)」と呼ばれる仕組みを採用している点だ。

イメージは「複数の担当者が連携するチーム」に近い。問題が発生すると、まず診断担当のAIが原因を調べ、次に対処担当のAIが解決策を実行し、最後に確認担当のAIが結果をチェックする。問題の種類に応じてAI同士が連携して処理を進めるため、あらかじめ想定していなかった事態にも対応できる幅が生まれる。95%という数字の根拠は、この「判断ができるAIの組み合わせ」にある。

AIがやること、人間がやること

AIが引き受けるのは、初期診断、ログの解析、定型的な復旧作業、そして24時間の監視だ。人間の担当者には「これはどう対処しますか?」という判断が必要な案件だけが届く。DXCのCTO(最高技術責任者)は「眠らないコンテキスト」という表現を使った——システムの状態を常に把握し続けるAIが、寝ることなく現場を見張り続けるというイメージだ。

障害の75%はAIだけで解決できるという(自社実証データによる)。裏を返せば、残り25%は人間でなければ判断できない。OASISはその25%に人間の時間と頭を集中させる設計になっている。

「Human+」という設計思想

「Human+」——AIは代替ではなく、人間の時間を取り戻す仕組み

DXCはこのモデルを「Human+」と呼ぶ。「人間プラスアルファ」——AIが人間の代わりになるのではなく、人間がより大事な仕事に使える時間を増やすという考え方だ。IT担当者が1日の大半を費やしている雑務は、そもそも人間がやるべき仕事だったのか——この問いが、このモデルの出発点になっている。

自社実証で証明した効果

95%をAIが担うという主張は、数字だけ聞けば眉唾に聞こえる。DXCはその問いに対し、自社の11万5000人で先に答えを出した。以下はすべて自社実証から得られたデータだ。

チケット95%削減、修復時間67%短縮の意味

IT担当者のもとに届く「助けてください」が100件あったとしたら、95件はAIがすでに解決済みの状態で届く。障害の復旧時間は67%短縮——1時間かかっていた対応が20分になる計算だ。

数週間かかっていた開発・制作の作業が数日から数時間になったというデータも、同じ実証環境から得られた。処理が速くなるというより、「待ち時間」そのものが消えていく感覚に近い。

大手企業の採用が示す「次の当たり前」

自社実証だけではない。外部の大組織がすでに動き始めている。

最も規模が大きいのはロンドン警視庁(Metropolitan Police Service)だ。2026年、DXCとのITマネージドサービス契約を更新・拡張する形でOASISを含むAIプラットフォームを採用。数万人規模の組織が扱う膨大なIT問い合わせと運用業務を、エージェント型AIで処理する段階に入った。

ANAシステムズ(ANAのグループ会社)は人間が運用作業から手を離せる状態を目指して自動化を推進。ブリヂストンは中南米4000人以上のIT管理コストを10%削減し、第一三共はグローバルで活用を進める。

「検討中」から「採用済み」へ

「検討中」ではなく「採用済み」という段階に来ている。業界も国籍も異なる大組織が同じ方向に動いているという事実が、OASISが特定の環境向けの特殊解ではないことを静かに示している。

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