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freeeで実績の渡邉氏が創業、中小企業の業務改革AIがSMBC・三菱UFJ出資で本格始動

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「CCI-VALANCE」4月17日リリース、書類アップでAIが経営データを整理

見積書や請求書をアップロードするだけで、AIが内容を読み取り、経営に使えるデータへと自動整理してくれる——そんなサービスが2026年4月17日に正式リリースされた。提供するのは、AIシステムを自社開発するVALANCE株式会社と、北陸フィナンシャルグループ傘下のコンサル会社・CCイノベーションが手を組んだ「CCI-VALANCE」だ。製造・卸・小売の中小企業が主な対象となる。

契約書・請求書を読み込み、自社専用のデータ基盤を自動構築

紙や複数のシステムに散らばった書類をアップロードすると、AIが内容を読み取り、その会社専用のデータ基盤を自動で構築する。従来、こうした仕組みを一から作るには数千万〜数億円のシステム開発費がかかっていた。VALANCE社は同等の機能を10分の1以下のコストで提供できると説明する。ただし月額料金や初期費用といった具体的な価格は現時点で公表されておらず、詳細はCCイノベーションへの問い合わせが必要だ。

チャットで質問するだけで、散在した社内データが即座に集まる

「先月の売上はいくら?」とチャット形式で入力すれば、AIが社内のデータを横断して答えを返す。複数のファイルを自分で開き、数字を拾い集める作業は必要なくなる。

AIを阻んでいた三重苦を、業務フローを変えずに突破する

では、なぜ中小企業はこれまでAIを入れることができなかったのか。CCI-VALANCEはその壁をどう突破しようとしているのか。

高コスト・長期導入・専門知識の壁、そして「データがない」問題

中小企業がAIを入れられない理由は、ほぼ三つに絞られる。費用が高い、専門知識が要る、そして今の業務のやり方を変えなければならない——この三重苦だ。中小企業における生成AI(文章やデータを自動処理するAIの総称)の導入率は現在20〜30%にとどまっており、大企業との差は年々拡大している。

既存システムに「上書き」するヘッドレスという設計

CCI-VALANCEはこの壁を「上から被せる」設計で突破しようとする。今使っているシステムも、日々の業務手順も、変える必要はない。その上にAIを重ねるだけで動く——開発側はこれを「ヘッドレス」と呼ぶ。データの取り込みはファイルのアップロードが基本となる。既存システムとのAPI連携(システム同士をデータでつなぐ仕組み)の可否や対応条件については、現時点で詳細が公表されていない。

先行導入した製造・卸売業の株式会社ミヤモリでは、3つのシステムに散らばっていた販売・工程管理のデータが一本化された。データの二重入力がなくなり、管理担当者の数は4分の3に減少した——4人体制であれば3人になった計算だ。業務の流れを変えずに、効率だけが上がった先例だ。

大手金融2社が出資、上場企業の実務を知る経営チームが開発

では、このサービスを作っているのは誰か。

VALANCE社のCEOを務める渡邉俊氏は、会計ソフト「freee」の専務執行役員として上場を経験した人物だ。COOの山口公大氏はDeNAの創業期に関わり、その後も急成長する企業での事業立ち上げを重ねてきた。

出資しているのはSMBCグループと三菱UFJグループ——国内を代表するメガバンク系の投資部門2社だ。累計の調達額は3.1億円にのぼる。大手金融が中小企業向けAIの普及に賭けた形だ。

製造・卸・小売の中小企業を対象に本格展開

最初に狙うのは、紙やPDFの書類——見積書、発注書、納品書、請求書——が大量に飛び交う業種だ。製造業、卸売業、小売業の中小企業がメインターゲットとなる。導入相談から稼働後のサポートまでCCイノベーションが一括して引き受けており、問い合わせ窓口も同社が担う。自社にIT担当者がいない企業でも入りやすい設計になっているという。提供地域の範囲やトライアルの有無といった条件は、現時点で公表されていない。

将来的には、蓄積したデータを活用して「来月この部品が不足する」といった需要予測や、自動発注機能の追加も構想しているという。ただし先行事例はミヤモリ1社にとどまる。業務フローを変えずに導入できるという約束が、製造・卸・小売の幅広い業種で本当に通用するのか——それはこれから積み上げる実績が答えを出す。

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