AI導入・開発はAIのミカタにお任せください お問い合わせ

AmazonのAI「Rufus」、指定価格で自動購入が可能に 価格履歴の確認も

AmazonのAI「Rufus」、指定価格で自動購入が可能に 価格履歴の確認も
  • URLをコピーしました!
目次

「3,500円以下になったら買って」——Amazonに話しかけるだけで自動注文が完了

Amazonのアプリを開くと、検索バーの横に「Rufus(ルーファス)」というAIが最初から入っている。チャットで話しかけると買い物を手伝ってくれる機能で、2025年9月に日本の全ユーザーへ正式に提供された。そのRufusが2026年2月、新たな機能を追加した。自動購入だ。ただし現時点でこの機能が使えるのは米国のみで、日本での提供時期はAmazonから発表されていない。

使い方はシンプルだ。「このヘッドホンが3,500円を切ったら買って」とRufusに話しかける。それだけでいい。あとはAIが24時間価格を監視し続け、条件を満たした瞬間に購入を実行しようとする。ただし、実際に決済が行われる前にスマートフォンへプッシュ通知が届き、ユーザーが「承認」を押して初めて注文が確定する仕組みだ。注文後も24時間以内であればキャンセルできる。セールを見逃さないよう通知を待って、自分でアプリを開いて、カートに入れて、決済する——その手順の多くが不要になった。リクエストは最大6ヶ月間有効で、期間内に条件が満たされなければ自動的に終了する。

自動購入だけじゃない、買い物体験が変わった3つの変化

自動購入はRufusが加えた変化の一つにすぎない。買い物の入口から出口まで、3つの場面で使い方が静かに塗り替わっている。

「過去にセールだったか」がチャットで即わかる

商品ページを開いて「この商品、過去30日間でいくらだった?」と聞くと、価格の推移をグラフで表示する。今の値段が安いのか高いのか——答えを自分で調べる必要がなくなった。

ECサイトで長く繰り返されてきた慣行がある。セール直前に定価を吊り上げ、元の値段に戻したタイミングで「割引価格」と見せる手口だ。RufusはAmazon内の価格履歴データを持っており、直近で値が引き上げられた形跡がある場合には「今は買い時ではない」と回答するケースがある。売り手が演出したお得感を、買い手側のAIが静かに無効化している。価格の裏側を確かめる手段が、初めて消費者の手に渡りつつある。

紙のメモを撮影するだけでカートに追加

手書きの買い物リストをスマホのカメラで撮影すると、Rufusが文字を読み取り、まとめてカートに追加する。「書いて、開いて、検索して、入力する」というステップが、撮影一枚に置き換わった。

カメラをかざして、その場で比較・購入

気になった商品にカメラを向けるか、言葉で伝えるだけで、RufusはAmazon上の価格やレビューを調べて選択肢を提示する。「来週のキャンプに初心者でも設営できるテントを選んで」と話しかけると、レビューや在庫を照合した上で1点を提示。「それ、買って」と返すだけで決済まで終わる。何ページも商品を見比べる作業が、会話2往復に収まった。

AIが薦める商品は「広告」かもしれない——透明性という新たな問題

こうした変化が積み重なった結果、Rufusの累計利用者はすでに3億人を超えた(Amazonの発表、2026年2月時点)。Rufus経由で買い物をしたユーザーの購入率はそうでないユーザーより60%以上高く、2025年のブラックフライデーでは全セッションの約40%がRufus経由で行われた。買い物の入口が、検索窓からAIとの会話に移りつつある。

その同じRufusの回答の中に、広告が紛れ込もうとしている。2026年3月、米国でAmazonが静かに始めたのが、広告主が費用を払ってAIの回答の中に自社商品を組み込む仕組みだ。

問題は、消費者には区別がつかない点にある。RufusがAIとして最適と判断して薦めた商品なのか、広告主がお金を払って表示させた商品なのか——見た目は同じだ。米国の消費者団体はすでにこの仕組みに対して懸念を表明しており、連邦取引委員会(FTC)もAI広告の開示基準について議論を続けている。日本での展開については、Amazonはまだ明らかにしていない。

AIが薦める「お得」は誰のためか

そのアプリは今、すでにあなたのスマホの中にある。AIが薦める「お得」が誰のためのお得なのかは、まだ誰も答えを持っていない。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次