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施工計画書をAIで30分に短縮|NITACO・ChatGPT活用ツール比較と導入手順

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施工計画書——工事を始める前に「どんな手順で、どんな安全対策で進めるか」をまとめて元請けや発注者に出す、あの書類です。

現場を知っている人ほど丁寧に書くから、2〜3日かかるのも珍しくありません。2024年4月からの残業規制で、その2〜3日がますます重くなっているのが現実です。

この記事では、AIで施工計画書の初稿を30分で作り、確認・加筆を含めても合計3〜4時間で仕上げている現場の話を紹介します。「で、俺は何すればいいの?」に絞ってお伝えします。

目次

3日かかる施工計画書が30分になるまで

AIは施工計画書をどう作るのか

やることは、びっくりするほどシンプルです。

STEP
設計図書のPDFをアップロードする
STEP
AIが必要な情報を自動で読み取る

工事概要・施工方法・工程・安全対策など

STEP
業種別のフォーマットで初稿がWordで出てくる

これだけです。NITACOの施工計画書AIの場合、建設業法に定める全29業種に対応していて、アップロードから初稿完成まで最短30分。
AIがやっているのは、PDFの中から「この工事に必要な情報」を見つけ出して、決まった書式に当てはめる作業です。人間が目で図面を読んで手で打ち込んでいた部分を、代わりにやってくれるイメージですね。

AIが書く部分・人間が見る部分

ここが一番大事なポイントです。
AIが作るのは「初稿」であって「完成品」ではありません。

施工計画書AIは初稿生成ツール。最終確認と加筆は施工管理技士の仕事

30分で出てきた初稿に対して、施工管理技士が現場の状況に合わせた確認・加筆をする時間が必要です。
それを含めても合計3〜4時間。従来の2〜3日と比べれば、作業時間は最大90%の削減になります。

従来AI活用後
2〜3日合計3〜4時間(うち初稿生成30分)

AIが拾えるのは設計図書に書かれている情報だけです。搬入経路の制約や近隣対策の取り決め、協力会社との役割分担など、現場を歩いた人間にしか分からない情報は、必ず自分で加筆する必要があります。
目安としては、AIの初稿をベースに2〜3時間で確認・加筆すれば提出レベルに仕上がります。「ゼロから書く」のと「赤ペンを入れる」のでは、手間がまるで違います。

「完全自動で書類が完成する」と思って導入すると、たぶんがっかりします。
でも「初稿だけAIに任せて、確認は自分でやる」と割り切れば、これほど楽になるツールはありません。面倒な書類仕事の”ゼロから書く”パートがなくなる——それだけで、現場に出る時間がまるで変わってきます。

施工計画書AIツール3選を比較する

仕組みがわかったところで、次に気になるのは「じゃあ、どのツールを使えばいいの?」という話です。
2026年5月時点で、施工計画書の作成に使える選択肢は大きく3つあります。それぞれ性格がまったく違うので、順番に見ていきます。

施工計画書AI(NITACO)

現時点で「施工計画書に特化したAIツール」として最も具体的に動いているのが、NITACOの施工計画書AIです。

建設業の現場管理サービス「ツクノビ」を運営しているNITACOが開発したもので、建設業法に定める全29業種に対応しています。
使い方は前のセクションで紹介したとおり、設計図書のPDFをアップロードするだけ。AIが工事概要・施工方法・工程・安全対策などを自動で読み取り、業種別のフォーマットでWord/PDF形式の初稿を出してくれます。

最大の利点は、β版が無料で公開されていること。
「AIツールに興味はあるけど、いきなりお金をかけるのは……」という施工管理技士の方でも、とりあえず手持ちの設計図書で試してみることができます。
正式版の価格は未公表ですが、無料のうちに使い勝手を確かめておいて損はありません。

出力品質としては、初稿の完成度は「そのまま提出」ではなく「確認・加筆して仕上げる」前提です。それでも従来2〜3日かかっていた作業が合計3〜4時間で終わるのは、現場の体感としてはかなり大きいはずです。

ChatGPTを直接使う方法

専用ツールを使わなくても、ChatGPTで施工計画書の下書きを作る方法もあります。

月額3,000円程度のChatGPT Plusに加入すれば、今日からすぐに使えます。無料版でも試せますが、長い文書の生成には有料版のほうが安定します。
導入ハードルは3つの中で最も低いです。

ただし、ChatGPTは「何でも書ける汎用AI」であって、建設業の書式やルールを最初から知っているわけではありません。
「○○工事の施工計画書を書いて」とだけ入力すると、見当違いの内容が返ってくることも普通にあります。

ChatGPTは建設業の書式を知らない——具体的な指示文を用意して使う

うまく使うコツは、プロンプト(AIへの指示文)を具体的に書くことです。
工事名・工種・使用する工法・現場の条件などを細かく伝えれば、それなりの初稿は出てきます。逆に言えば、自分で指示を組み立てる手間がかかるのがトレードオフです。
専用ツールが「PDFを入れるだけ」なのに対して、ChatGPTは「自分がテンプレートを持っていて、中身をAIに書かせる」イメージですね。

工事書類AI(EARTHBRAIN)

3つめは、EARTHBRAINの「工事書類AI」です。
EARTHBRAINはコマツとNTTドコモなどが出資して設立した建設DXの会社で、大手ゼネコン系の技術基盤を持っています。

施工計画書のドラフト自動生成に加えて、安全管理チェックリストの作成までカバーしているのが特徴です。
施工計画書だけでなく、周辺の工事書類もまとめて効率化したい現場には魅力的な選択肢でしょう。

ただし、費用は非公開で問い合わせが必要です。大手ゼネコンとの取引実績が中心なので、中小の建設会社がすぐ導入できるかは要確認です。
「信頼できる大手の技術で書類を効率化したい」というニーズには合いますが、気軽に試せるタイプではありません。

スクロールできます
施工計画書AI(NITACO)ChatGPT工事書類AI(EARTHBRAIN)
費用β版無料(正式版は未公表)無料〜月額約3,000円要問い合わせ
対応業種全29業種指示次第(汎用)施工計画書+安全管理
導入の手軽さPDFアップロードだけ今日から使える問い合わせが必要
出力の完成度業種別フォーマットで初稿生成プロンプト次第でばらつくドラフト自動生成
向いている会社まず無料で試したい中小コストを抑えたい個人・小規模大手寄り・書類を一括効率化したい

選び方の軸はシンプルです。
「まず無料で試したい」ならNITACOのβ版。「お金をかけずに今日から始めたい」ならChatGPT。「社内のセキュリティ基準が厳しい」「安全書類もまとめて効率化したい」ならEARTHBRAINに問い合わせる——この3択で考えれば、迷いにくいはずです。

AI生成の施工計画書は提出できるのか

ツールを選んだ次に気になるのが、「で、これで作った書類って発注者に出して大丈夫なの?」という話です。
結論から言います。出せます。ただし、条件があります。

発注者提出と施工管理技士の責任

施工計画書は、誰がどうやって作ったかではなく、施工管理技士(監理技術者や主任技術者)が内容を確認して記名しているかどうかが問われる書類です。
施工管理技士というのは、現場の施工管理を行うために必要な国家資格のこと。1級と2級があり、施工計画書の最終責任を負うのはこの資格を持った技術者です。
AIが下書きしようが、新人が叩き台を作ろうが、最終的に施工管理技士が内容に責任を持てば、提出書類としての扱いは変わりません。

AIはあくまで下書きツール。施工管理技士の確認・記名があれば通常の施工計画書と同じ扱いで提出できる

実際、大手ゼネコンはすでに動いています。
大成建設は生成AIを活用した施工計画書の作成支援システムを導入し、作成時間を約85%削減したと報じられています。大手がAI生成の書類を現場で使っている以上、発注者側も「AIで作った書類」自体に拒否反応を示す段階ではもうありません。

国交省が推進するi-Construction(建設現場にICTを導入して生産性を上げようという国の方針)も、AI活用による効率化と方向が同じです。「効率化に取り組んでいる」というプラス評価にもなり得ます。

大事なのは一つだけ。中身を読まずにハンコを押さないこと。
AIの初稿は標準的な工法や安全対策についてはそれなりに書いてくれますが、現場固有の条件——近隣環境、地盤の癖、過去のトラブル事例——は拾い切れません。施工管理技士として内容を確認し、必要なら加筆修正する——その工程を省かなければ、何も問題はありません。

設計図書をAIに渡すリスク

唯一、導入前に確認しておくべきことがあります。
設計図書をクラウドにアップロードするという行為そのものです。

設計図書のクラウドアップロードは事前確認が必須

AIツールを使うには設計図書のPDFをクラウドにアップロードする必要があります。機密情報の取り扱いポリシー(自社・発注者双方)を事前に確認してから導入してください。

施工計画書AIは、設計図書のPDFを読み込んで初稿を生成します。つまり、図面や仕様書のデータが外部サーバーに送られるということです。
公共工事の設計図書には公開情報が多いとはいえ、発注者によっては「クラウドサービスへのアップロード禁止」というルールを設けていることもあります。

ツールによってデータの扱いは異なります。NITACOのβ版はデータ取り扱いポリシーの詳細が未公開(問い合わせが確実)、EARTHBRAINは法人契約でNDA対応が一般的、ChatGPTはAPI経由なら学習利用オフの設定が可能です。

いずれにしても、使い始める前にこの3点だけ確認してください。

  • 自社の情報セキュリティポリシーで、クラウドAIへの図面アップロードが許可されているか
  • 発注者側に、外部ツールの利用に関する制限がないか
  • 利用するAIツールのデータ取り扱い方針(学習利用の有無、保存期間など)

この確認を面倒がって飛ばすと、あとで面倒なことになります。逆に言えば、ここさえクリアしてしまえば、あとは安心して使えます。

中小建設会社が始める3ステップ

法的にも問題ないとわかったら、あとはやるだけです。
いきなり全現場で導入しようとすると絶対に続かないので、この順番で試してください。

STEP
過去の施工計画書を1部だけ用意する

完成品がある案件なら、AIの出力と見比べて「使えるかどうか」を判断しやすい。

STEP
NITACOのβ版で、その1案件だけ試す

無料なので失敗してもゼロ円。「30分で初稿が出る」を自分の目で確かめる。

STEP
1人が1か月使って、効果を測る

「何時間減ったか」の数字が出れば、上にも説明しやすい。

この3つを順番にやれば、失敗しようがありません。
合わなければやめればいいだけですし、合えば年間60日分の書類作業が浮く計算になります。

費用が気になる方は、正式版が出たタイミングで補助金の活用も検討してみてください。2026年度は「IT導入補助金」のほか、中小企業向けの「ものづくり補助金」でもAIツール導入が対象になるケースがあります。ただし補助金は年度ごとに制度や対象が変わるため、申請時点で最新の公募要領を確認するのが鉄則です。
まずは無料のβ版で「自分の現場で使えるか」を確かめるのが先です。

施工計画書の次に狙う工事書類AI化

施工計画書で「AIに初稿を任せる」感覚をつかんだら、次は横展開です。

工事書類AI(EARTHBRAIN)は安全管理チェックリストの自動生成にも対応していますし、工事写真台帳の整理・作成を支援するAIツールも出てきています。

現場職ほど効果が出やすいのが、音声入力×生成AIによる日報の自動作成です。スマホに話すだけで日報ができるなら、事務所に戻ってからの30分がまるごと消えます。

まずは施工計画書で「AIと一緒に働く感覚」に慣れるところから始めてみてください。一つ使いこなせれば、他の書類にも応用がきくようになります。

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