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アプリを開かないスマホ、4月24日発売 ソフトバンクがAI端末を国内独占販売

アプリを開かないスマホ、4月24日発売 ソフトバンクがAI端末を国内独占販売
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アイコンのないスマホ、何が変わるのか

スマホを使うとき、私たちは無意識に同じ手順を踏んでいる。アイコンを探し、アプリを開き、操作して、また別のアプリに切り替える。その繰り返しが、丸ごと消える——というスマホが4月24日に店頭に並ぶ。

AIボタンで話しかけるだけ

Natural AI Phoneのホーム画面には、見慣れたアイコンの並びがない。側面のAIボタンを押して話しかけるだけで、複数のアプリにまたがる操作をAIが代わりにこなす仕組みだ。

SiriやGoogle AssistantといったAIアシスタントは、いわば「便利な検索係」だった。呼べば答えてくれるが、実際にアプリを動かすのは自分の指だ。このスマホはその発想を逆にした。AIが最初からスマホ全体を動かす前提で設計されており、「アシスタントが手伝う」のではなく「AIが代わりにやってくれる」構造になっている。

たとえばこんな使い方ができる。「今週末の空いた時間にランチの店を予約して、LINEで友達に知らせて」とひと言。すると、カレンダーで空き時間を確認し、食べログで予約を入れ、LINEにメッセージを送る——その一連の手順を、アプリを1つも自分で開かずにAIが順番に実行してしまう。

ただし、現時点でAIが完全対応するアプリはLINE・Gmail・Googleマップ・Googleカレンダー・YouTube・食べログ・Amazon・楽天市場・Yahoo!ショッピングの9種類だけだ。壮大な「アプリのいらない未来」を掲げながら、使えるのは今のところこれだけ。そのギャップは、このスマホの正直な現在地でもある。

AIが状況を読んで先に提案

AIボタンをダブルクリックすると、今画面に映っているものをAIが読み取る機能もある。SNSで見かけた飲食店の写真がそのまま画面に出ていれば、店名を入力することなく予約画面まで案内してくれる。

加えて、過去のやり取りを記憶して先回りする機能も持つ。「先週も同じ駅周辺で店を探していた」という履歴があれば、次の検索では黙ってその周辺を優先して提案する。「自分で操作するスマホ」から「状況を察するスマホ」へ——このスマホはその方向への最初の一歩だ。

なぜ今、日本で先行発売なのか

この製品が米国でも欧州でもなく、日本で最初に発売される背景には、開発元とソフトバンクの連携がある。Brain Technologiesはソフトバンクグループの事業投資部門と連携関係にあり、ソフトバンクが12ヶ月間の国内独占販売権を取得したことで、日本が「世界で最初にこのスマホを買える国」になった。米国での本格展開は2027年以降とされており、日本はその最初の試験の場となる。

ソフトバンクは単なる販売代理店にとどまらなかった。開発段階からFeliCa(おサイフケータイ)への対応を要望し、LINEや食べログといった日本独自のサービスを対応アプリに組み込ませた。海外製品をそのまま持ち込んだのではなく、日本の使い方に合わせて作り直した「日本仕様」として仕上がっている。全国5,000拠点以上というソフトバンクの販売網が、このAIスマホを一気に広める実験の土台になる。

発売4日前の4月17日には、購入前に店頭でNatural AI Phoneを試せる「だれでもAI」と名付けた無料体験サービスも始まった。

9万円で使えるのは9アプリだけ

本体価格は93,600円(税込)だが、乗り換えなどの条件を満たせば月額1円から持てるプランも用意されている。9万円という価格の壁を、ソフトバンクは正面突破しようとしている。

発売直後の現実は、正直に見ておく必要がある。AIが実際に動かせるのは今のところ9種類のアプリだけ。LINEや食べログ、AmazonといったなじみのあるサービスではAIが代わりに操作してくれるが、それ以外は従来通り自分で開くしかない。スマホに入っているアプリの数を思い浮かべれば、9つがどれほど少ないかは想像がつく。

今後の拡大については、Brain TechnologiesがアプリメーカーにNatural OS向けの技術仕様を公開し、各社が対応を進める形が想定されている。ただし、対応アプリが増えるペースは各社の判断次第であり、いつ何が加わるかは現時点で示されていない。

個人情報の扱いも、気になるところだ。AIが各アプリを操作するにはアカウントの連携が必要で、初回設定時にLINEやGmailなどに対してNatural OSへのアクセス許可を与える手順が発生する。スマホの使い方を記憶するAIが、自分のアカウントとどこまでつながるのかは、使い始める前に確認しておきたい部分だ。

個人データの取り扱いと設計上の制約

AIが記憶する個人データは日本国内のサーバーにのみ保存され、AIの改善や学習には使われないとされている。また、買い物の注文確定など金銭が絡む最終操作は必ず人間が行う設計だ。AIに任せながら、肝心なところは自分で確かめる——そういう折り合いのつけ方をしている製品でもある。

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