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ユーキャン、AI資格講座を4月開始 受験者8万人超、企業の一括取得も急増

ユーキャン、AI資格講座を4月開始 受験者8万人超、企業の一括取得も急増
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ユーキャンがAI資格講座を開講

簿記、医療事務、介護福祉士——ユーキャンが長年扱ってきた資格は、どれも「働くために必要な基礎知識」を証明するものだ。2026年4月、そのラインナップにAI資格が加わった。

通信教育大手のユーキャンが、「生成AIパスポート」の公式認定講座の提供を2026年4月16日に発表・開始した。生成AIパスポートとは、AIを仕事で活用するための基礎知識と、情報漏洩・著作権侵害といったリスク管理を問う資格で、一般社団法人生成AI活用普及協会(GUGA)が主催する。2026年2月試験までの累計受験者数はすでに83,041名、前年同月比514%増という勢いで受験者が増えている。

ユーキャンは国内最大級の通信教育会社だ。専門学校や大学院とは違う。「忙しい社会人が、自宅で、仕事に直結する資格を取る」という場所である。そこがAI資格を棚に並べたという事実は、AIの学習が「エンジニアや技術者のもの」から「すべての働く人のもの」へと移行しつつあることを映している。

講座は49レッスンの動画講義(計約7時間)と約180問のWEBテストで構成される。教材の監修はAI実装支援を手がけるアンドドット株式会社が担当。なお、GUGAの公式認定講座はユーキャン以外の提供事業者も存在するが、国内最大規模の通信教育網を持つユーキャンの参入は、これまでリーチできていなかった非IT系社会人層への扉を開く意味合いが大きい。

なぜ企業が全社員に受けさせるのか

ユーキャンが参入するほどの勢いを生み出しているのは、個人の自主的な学習ではなく、企業側の「全社員に受けさせたい」という強い引きだ。そしてその動機は、多くの人が想像するような「スキル向上のため」ではない。

受験者が1年で5倍超に

一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)が2025年2月に実施・公表した「企業IT動向調査報告書2025年版」によれば、国内企業の生成AI導入率は41.2%に達し、前年から14.3ポイント急伸した。ところが「導入した」と「安全に使いこなせている」は別の話だ。

AIを社員に使わせると、企業が最初に直面するのはスキル不足よりも前に、情報漏洩・著作権侵害といったリスクだ。機密情報をAIのチャット画面に貼り付ける、著作権のある文章をそのまま流用する——AIリテラシー(AIを正しく理解し、安全に使いこなす力)が低い段階でAIを使わせると、こうした事故が起きやすい。企業が全社員に資格取得を求める最大の動機は「攻め(活用推進)」ではなく「守り(事故予防)」にある。

9000名一括受験、必修化が加速

エクシオ・システムマネジメントは2025年度を「生成AI活用元年」と位置づけ、約800名の全社員を対象に資格取得を推進した。掲げた第一目標は生産性向上ではなく「情報漏洩や権利侵害を防ぐリスク管理能力の習得」だ。SALES ROBOTICSは役員を含む全社員に入社1年以内の取得を義務化し、2026年3月時点で取得率94.1%を達成。営業・総務・バックオフィスといった非エンジニア職が大半を占める点が、他のIT資格とは異なる。

アイスリーデザイン(i3DESIGN)は取得率81.7%を達成し、バックオフィス部門の業務時間を月間255時間から133時間へと52%削減した。GMOインターネットグループは全従業員約7,400名に独自AIテストの合格を必須化、業務活用率96.2%・1人あたり月間46.9時間の削減を記録している。こうした流れを受け、主催団体のGUGAには9,000名規模の一括受験申し込みが入るケースも出てきた。AIの資格取得は、個人の自己啓発から企業が設計する人事施策へと変わりつつある。

ユーキャン講座の内容と費用

全社員必修化の流れが加速する中、ユーキャンが用意した受け皿は「2ヶ月・約2万8,000円」という、簿記や介護福祉士と同じ棚に並ぶ価格帯だ。

2ヶ月で合格、49レッスン構成

標準学習期間は2ヶ月。1本8〜10分の動画49本(計約7時間)と約180問のWEBテストで構成される。通勤や昼休みに細切れで進められる設計で、教材はAI実装支援を手がけるアンドドット株式会社が監修した。IT知識ゼロからでも受験対策が完結する。

試験はIBT(インターネット経由で自宅のPCから受けられる方式)で、24時間いつでも受験できる。問題数は60問(四肢択一式)、試験時間は90分。正答率70%以上が合格の目安とされており、会場に足を運ぶ必要がない。企業が数百名規模で一括受験させる際のハードルを一段下げる仕組みだ。

費用は受講料19,800円+受験料8,800円

ユーキャンの受講料は19,800円(税込)。これに受講生向け割引後の受験料8,800円(税込)を合わせた合計は28,600円(税込)で、3万円を下回る。通常受験料(11,000円税込)で計算しても30,800円だ。

「個人の資格」から「企業の人事施策」へ

この価格帯が意味することは単純だ——「意識の高い個人が自腹で取る資格」から「企業が人事施策として全社員に受けさせる資格」へ。ユーキャンが日常資格の価格帯で参入したことで、その転換がもう一段現実に近づいた。

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