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ソフトバンク×オラクル、国産AI「Sarashina」を6月提供 データ管理は国内完結

ソフトバンク×オラクル、国産AI「Sarashina」を6月提供 データ管理は国内完結
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機密情報を扱う官公庁や企業がこれまでAIを使いにくかった背景には、米国の「CLOUD法」(クラウド法)がある。米国企業のクラウドサービスを利用すると、米政府から要求があった場合にデータを開示しなければならないリスクが生じる。そのため、機密データをAIに扱わせることをためらってきた組織は少なくない。2026年4月16日、ソフトバンク・米オラクル・AI開発子会社のSB Intuitionsの3社が共同で、その壁を越えようとするサービスの正式発表に踏み切った。サービスの名称は「ソフトバンク生成AIサービス」。データが日本の外に出ない設計を採用し、6月の本格提供に向けて動き始めた。

目次

6月から始まる生成AIサービスの中身

日本語特化の国産AI「Sarashina」

サービスの核となるのは、SB Intuitionsが開発した国産AI「Sarashina(サラシナ)」だ。海外の汎用AIとは異なり、日本語の読み書きに特化して作られており、ビジネス文書や専門的な言い回しへの対応を得意とする。企業向けに2026年6月から順次提供が始まる。

業務を幅広くカバーする機能

具体的な機能は、文章の作成・要約・分類・対話と幅広い。「議事録を短くまとめてほしい」「問い合わせに自動で答えたい」といった日常的な業務での利用を想定している。

インフラ面では、東日本のデータセンターで2026年4月に先行稼働を開始。同年10月には西日本でも展開が始まる予定だ。

データが「日本から出ない」仕組み

冒頭で触れたCLOUD法の問題——「米国政府に命じられれば、データを渡さなければならない」というリスクに対して、このサービスはどう答えているのか。

運用・監視は国内で完結

仕組みはこうだ。通常のクラウドサービス(AWSやAzureなど)を使う場合、データはその会社のサーバーで処理され、運用も相手側が担う。今回のサービスは逆の設計だ——オラクルが技術だけを提供し、サーバーは日本国内に置いて、動かすのも管理するのも日本側(ソフトバンク)が担う。オラクル本社の米国スタッフはそのクラウドにアクセスできない仕組みになっている。クラウドの運用・管理・監視・セキュリティ対応はすべてソフトバンクの日本国内の社員が担う。物理的にも、法的にも、データが日本の外に出ない。

データを預けても見られない設計

こうした「国内完結型」のクラウドを「ソブリンクラウド(主権を持つクラウド)」と呼ぶ。自国の法律と管理のもとでデータを扱えるインフラのことだ。日本でもこの市場は急速に立ち上がっている。調査会社ガートナーの2025年調査によれば、日本国内でのソブリンクラウド向け支出は2025年の約800億円から、2026年には約1,400億円規模へ拡大する見通しだ。

官公庁でも実際の調達が動き始めている。さくらインターネットが2026年3月に国産クラウドとして初めて政府公認の「ガバメントクラウド」に採択されたのに続き、国立機関から生成AI向けに約38億円の発注も入った。口先の議論から、実際の予算執行へ——官公庁の意思決定が変わり始めている。

自分の会社は使える?対象と時期

このサービスが最初に向くのは、エネルギー・交通・金融・医療など、経済安全保障上の「重要インフラ」に指定された15分野の企業と、官公庁・自治体だ。機密情報を日常的に扱うこれらの組織にとって、データが国内から出ない基盤は「あれば便利」ではなく、「なければ使えない」条件に近い。

すでに動いている実績もある。デジタル庁が運営するGビズポータルでは、2026年3月から国産AI「Sarashina mini(サラシナ ミニ)」を使った補助金情報の可視化サービスが稼働している。発表ではなく、実際に動いている実績だ。

社内の規程集・契約書・技術資料をAIに活用したいが、データを外に出せないと悩む一般企業にとっても、選択肢は広がりつつある。日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)の2025年度調査では、国産AIへの期待として「データの安全な管理」を挙げた企業の割合は約90%に達する。性能より安全を優先したいという現場の空気は、数字にも表れている。

料金の詳細は現時点では公開されておらず、6月の本格提供に合わせて順次明らかになる見通しだ。専門人材がいない企業でも、導入から日常運用まで一括で任せられる体制が用意されているという。

2026年春〜夏、選択肢が変わる

「機密情報があるからAIは使えない」——その答えが変わる時期が、2026年の春から夏にかけて訪れる。

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